• 設計技術

AI見積の落とし穴 ~図面を育てる取り組みの重要性~

当社では、サプライヤーとして、お客様から頂いた図面(製品図・展開図)に忠実に、即ち、その通りに製作させて頂くことがこれまでも数多くありました。

設計業務を進めるにあたり、お客様からDXFデータや3Dデータを頂くことで、CAD業務の負担を大幅に減らし、ダイレクトにCAM業務に進めることができて、時間短縮にもつなげることが可能になります。

但し、その場合、お客様からの図面データが間違っていたりしても気付くことなく製品や部品はできてしまいます。またものは作れても無駄が多く含まれていることもよくあります。

最近は、AIなどを駆使して、実際にものづくりをしていない会社が自動見積をするなどの取り組みで、依頼先と加工業者との橋渡しをするHUBとなって、仕事を獲得する仕組みが流行っています。

しかし、実際のものづくりにおいては、より合理化を求めていったり、製品展開をしていく上で、図面をより良い方向に改訂をかけていくことが、非常に重要であると考えます。

私たちは、このことを“図面を育てる”取り組みと呼んでいます。

いわゆるAI見積には、図面に充実でこそあれ、図面の進化が反映されにくい、といった落とし穴が潜んでいるように思われます。

私たちは、これまでも試作開発からお客様とタッグを組み、早期に不具合箇所を発見、合理化に向けた取り組みさせて頂いてきました。

これまでの歴史の中でレビュー、設計検証、試作検証、妥当性確認等のプロセスをきちんと踏み、必要に応じてそれらプロセスを繰り返すことで、製品品質を安定させ、合理化に繋げ、お客様の商品シリーズ展開等をできるように取り組んできました。

下請加工会社として、お客様の図面は資産です。板金加工のプロフェッショナルとしてお客様の図面1枚1枚の質を上げていくことに、私たち仁張工作所は取り組んでいきたいと考えます。

Contents