- 生産技術
溶接とはおもに2枚の板を“くっつける”ことを指します。金属同士の接合部を高温の熱や圧力を加えることによって部材と部材を接合する加工のことです。例えば、紙で箱を作る場合の“のり付け”にあたるもので、スチール・ステンレス家具等の板金加工においては必要不可欠な作業です。材料の種類・板厚・その他様々な条件により、設備や溶接の種類は大きく異なってきます。例えば、溶解温度の異なるスチール・ステンレスとアルミ材では、適した溶接設備も違ってくるわけです。溶接の歴史は古く、弥生時代の銅鐸からも溶接の痕跡が発見されています。
ここでは、主に板金加工業で使用されている溶接の種類その他についてご紹介します。
スチール家具においては最もよく使用される溶接方法です。上下のくちがねと呼ばれる部分に2枚の板を挟み込み、圧力をかける事によって接合させます。接合部は“点”状になります。
弊社では、おもにステンレスの加工に採用しています。2枚のワークを溶かしあいながら接合する方法です。
アーク溶接とは電気のアーク放電を利用し、同じ金属同士を繋ぎ合わせる溶接方法の事です。アーク放電によりもたらされた高熱で、接合したいワークを溶かし接合します。電気溶接、と呼ばれる事もあります。
アーク溶接の一種。融点の非常に高いタングステン棒(Tungusten:金属元素の一つ。融点は摂氏3400度ほどである。)からアークを出し、その熱で母材を溶かします。半自動溶接と同じようにシールドガスを用います。溶加材を足すことも可能で精密板金の溶接に向いています。しかし溶着金属を付加するために左手で溶接棒を添加しなければならないため熟練技術が必要とされます。
大きなじょうばんを備えた自由度の利くスポット溶接機です。2人以上で作業を行う大型のロッカー・キャビネットの加工に適しています。
溶接後の仕上のために円盤状になった研磨機で、面をならすのに使用する道具です。研磨のほか、切断等の用途にも用います。
砥石車を回転させ、研磨を行う工作機械です。製品のバリ取り加工等にも使用されます。
【スポット溶接機】・・・型式:N-SU / 能力:9KVA / 台数:計21台
本社工場・三和工場ともに足踏式スポット溶接機を多数配備しています。
現在足踏式・空圧式合わせて合計21台(本社工場14台・三和工場7台)のスポット
溶接機があり、箱物板金の量産を可能にしています。間違いやミスが起こりにくい様、
板金展開・はめ合い・位置決め等について独自の工夫を行っています。
【CO2・MAG溶接機】・・・型式:MINI160他 / 台数:計15台
CO2溶接は、スチール製板金部品・筐体の溶接において、もっともよく使用される工法であり、当社でも数多くの設備を有しています。要員のライン化等を行い、確実かつスピーディな加工を実現しています。
【アルゴン溶接機】・・・型式:AMT-700W・YC-150TM他 / 台数:計7台
アルゴン溶接は、放電を利用し、同じ金属同士をつなぎ合わせる溶接工法であり、電気溶接とも呼ばれています。一定レベルの溶接技術(技能)が必要であり、当社では、OJTや教育訓練を通じて、作業者のスキル向上に向けて取組んでいます。最近増加傾向にある、ステンレス製品の溶接によく使用する設備です。
【ポータブルスポット溶接機】・・・能力:45KVA / 台数:計5台
自由度が高く、作業性に富んだスポット溶接機です。2人以上で大型のロッカー・筐体等を組み立てていく作業に適しています。当社では、この機械を上手に利用し、大幅な生産性向上を実現しています。
【マイスポット】・・・型式:RKS-1500V-C / 台数:1台
油圧式のバランサー機能を有しており、作業安定性に優れているため、女性でも力を必要とせずにスポット作業することが可能です。作業テーブルの上に加工対象品をセットし、3次元方向に移動するバランサーをスポット位置まで運ぶだけで、確実な溶接作業が行えます。ロッカーや自動販売機の筐体・扉等の加工に適しています。
【溶接ロボット】・・・型式:AW-7000HF-350 / 台数:1台
3次元制御により、プログラミングされた連続CO2溶接をスピーディに行います。ロボットの有効活用により、量産加工品の処理能力UPを実現しています。
【サンダー(研磨機)】・・・
溶接加工後の研磨処理に使用します。要求される仕上レベルに応じた多くの種類のサンダー(やすり)を用意し、次工程である塗装時のパテ不要を実現しています。