- 生産技術
仁張工作所で保有しているレーザー加工機は二次元レーザー加工機になります。
一枚の平滑な板に対して、自由な直線や曲線を描き、自由な形状でくり抜く事が出来る、XY軸の2軸での加工が可能な設備です。
一方、世の中には三次元レーザー加工機というものがあります。立体物に対して、自由な形状のくり抜き加工が出来る設備です。
自社だけでは対応できない課題解決も、半世紀以上に渡る歴史が築いてきた“ものづくりの町東大阪”の企業間ネットワークを活かして、トータルでお受けすることが当社の強みのひとつです。
一方、世の中には三次元レーザー加工機というものがあります。立体物に対して、自由な形状のくり抜き加工が出来る設備です。例えば、角パイプの加工を施したい面に、丸穴や、角孔を明けたり、パイプの端面を波模様に切り欠いたりの加工が可能です。XYZ軸の3軸での加工が可能な設備です。三次元レーザー加工機にも様々な種類があり、パイプの加工に特化したパイプ用のものや、制御盤などに後から追加工が出来るようなものもあります。ものづくりの用途としてはパイプ用の三次元レーザー加工機の方のニーズが高いようです。制御盤などの加工出来る三次元レーザー加工機は、様々な形状に対応出来、自由度は物凄く高いですが、原点位置を決める為、ワークに合わせた治具がそれぞれのワークに応じて必要で、またデータの作成や、ティーチング作業など、操作に高いスキルや、経験が必要です。生産性という面においては量産の製品を生み出す事は不得手にあると言えます。パイプ用の加工機も二次元レーザー加工機よりもデータは複雑ですが、量産加工にも対応出来る生産速度もあり、また作業者による出来映えの違いも少なく、ある程度の生産性があると言えます。このような三次元レーザー加工機は当社では保有していませんが、東大阪市の企業間ネットワークでパイプ用の三次元レーザー加工機を保有している協力工場様とコラボし、オリジナル製品を創り出しています。
オリジナル商品『アニマルペンスタンド』がその一例です。
①先ず三次元CADでモデリングを製作します。(所謂設計と呼ばれるものになります。)
②次にその3Dデータを基に加工データを作成します。(それぞれの加工設備に合わせたデータが必要になります。)
③そのデータ情報を加工設備に取り込みます。
④丸パイプに3DCADで作成した動物の柄を三次元レーザーでくり抜きます。
⑤二次元レーザー加工機で底板をくり抜きます。
⑥レーザー加工がなされた丸パイプと底板をカシメ、ペン立ての形にします。
*底板のカシメ部分は、レーザー加工のノウハウが詰まっており、レーザー加工で、熱収縮した状態の板をパイプにかち込み、時間経過でもとの状態に膨張した板がかしまる仕組みで、溶接などの後工程を一切せずに完成する製品です。
⑥塗装を施し、検査、梱包を経て完成品となります。
『生産管理システムによる一元管理と板金加工のノウハウの共有化が生み出す製品実現』
この事例にあるように、様々な製品を製作するにあたり、自社の保有設備でできること、できないことがあったり、仮にできたたとしても、もっと他に得意な町工場が身近あったりするのが“ものづくりの町東大阪”の特長です。
東大阪は様々な町工場の集合体であり、私たちはその地の利を活かし、色々な会社の力添えを頂きながら、自社のものづくりを深耕し、お客様のご要望に応えていける、と思っています。
と同時に社内における板金技術や板金加工のノウハウを積み上げること、強みを活かすことも大切だと考えています。当社は9台のBENDプレスを保有しており、10名以上の溶接技能者が在籍しています。パワープレスで絞り加工をしたものに、3Dレーザーでくり抜いたように見えるこの動物の形を施した立体の扉ですが、これは平滑な板を二次元レーザーでくり抜き、BENDプレスで立体に姿づくり、TIG溶接で隙間を埋める生産方法を経て出来上がった製品になります。溶接痕もなく、一見するとどのようにして作られたのか分かり辛い製品ですが、社内のノウハウで簡単に製品実現がされています。
他社では苦手でも自社では当たり前のように製作できること、いろんな課題解決ができること、今後もそんな会社づくりに取り組んでいきたい、と思います。