今回はロッカーを作るために様々な厚さの板金を使う理由と、1つのロッカーを作るための板厚を共通化する目的を紹介します。
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仁張工作所では貴重品ロッカーを作る際に板金の厚さは基本0.8ミリを使用しています。しかしマップケースは1.0ミリ、スポーツロッカーは1.6ミリと作る製品によって板厚を使い分けています。厚板を使うことで強度を上げることはできますが、必要以上に厚い板を使っても重くなり使い勝手が悪くなります。また材料は厚さによって値段が変わるため、商品の値段も高くなってしまいます。
そのため仁張工作所ではお客様からご注文いただいた際に入れるモノの大きさや重さ、人が座るなどの使用状況をお伺いし、用途に合わせて適切な板厚を使い分けることで”丈夫な”ロッカーを作ることができます。
そして過去には1つのロッカーを作るために使用する板金は0.8ミリ以外にも補強材に0.6ミリ、内箱に0.7ミリ、カムに3.2ミリなど特注品以外でも数種類使っていました。
設計当時は切り板を購入していたため1つのロッカーに様々な板厚を使用していましたが、社内でネスティングするようにり新たな問題が発生しました。
それは以前に〈ロットの最適化による生産性向上〉の記事でも紹介した通り歩留りが悪くなる問題です。
同じロッカーを大量生産するのであれば歩留まりは良くなるため問題ではなくなります。
しかし、仁張工作所の強みは自社一貫生産体制による多品種変量生産にあります。そのため個別に作ることを前提とした設計が必要となり、板厚を共通化したロッカーに変更していきました。
変更後は新たに0.6ミリの原板を購入せずに同じ0.8ミリの原板から補強材をネスティングするなど、板金を厚くすることが値段を抑えることに繋がりました。
このように同じロッカーでも見えないところも含めて変更を重ねることにより、より良いものをお客様に提供してまいります。
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