当社における機械工程とは、ブランク加工と折り曲げ加工を行う工程であり、設備においては、シャーリング機・ターレットパンチプレス・ベンダーマシンなどを使用します。
NCタレットパンチプレスとは多数の金型が装着可能な、円盤状のタレットと、ワーク(被加工体)を保持するクランプ等とを数値制御(Numerical Control)し、ワークの所定の部分に、穴あけ加工、成形加工等を行う機械の事です。
1枚のスケッチ材から1つの部品を加工する方法から、1枚の原板から複数の部品を加工するネスティング(板取)加工とがあります。前者は歩留まりが少ないのが特徴ですが、加工部品が変わる度に、NCデータの入力が必要になってきてしまいます。
一方後者の方は、一度のデータ入力で複数の部品が加工出来るメリットがありますが、歩留まりの問題があります。製品により、最適な加工方法を選定し、加工する事が必要となってきます。
NCタレットパンチプレス加工は、基本的に以下のような手順・要領で行います。
生産納期の確認・・・生産計画・作業指示書・で納期・順序を確認します。 鋼材受入検査・・・材質・板厚・枚数の他、たて・横・対角の寸法を確認します。 NCデータ入力・・・PC端末にてNCデータ(数値)入力を行います。 金型セット・・・CAM発行の作業指示書に基づき、金型を選択、上下位置の確認を行いタレットにセットします。 試し加工・・・材料を機械の当たりに当てながら、X/Y寸法を目視確認、テスト加工を行います。加工後は寸法他の検査を行います。 加工バリ対策・・・0.2mm以上のバリ発生はクリアランス(上下の金型の隙間)の変更など、代替金型で対応します。 加工・・・加工とともに検査を行います。検査の記録はチェックシートに記載されます。 識別・移動・・・加工後の完成部品は、現品票で識別され、曲げや組立等の次工程へリリースされます。
ガイドマーク・・・ワーク上面や下面にガイドやストリッパーによって、つく傷の事を指します。一般的に押える圧力が強い場合は円形のマークがつき、片押えになっている場合には、三日月状のマークがつきます。 カエリ(バリ)・・・ワークせん断切り口面に生じる小さいまくれの部分のことです。手に触れる部分に残っているとケガにつながる恐れがある為、取り除く必要あります。 さん幅・・・抜き穴の隙間のことを指します。さん幅が必要以上ないとさん部にねじれや変形が発生します。通常スチールやアルミ材で板厚の2倍以上、ステンレスで4倍以上の幅が必要です。 ノックアウト・・・ワークを板厚分抜くが、一部を母材に繋ぎ止めて結合しておく加工方法。必要に応じて、現地で簡単に取り外しできるようにしておきます。専用のノックアウト金型(通常丸型)が必要です。 ダボ出し・・・ワークに球状の突起をつける加工を指します。 ネスティング・・・CAMによるNC加工機への指示で、シートのワークくり抜きの割り付けのことを指します。 半抜き(ハーフパンチ)・・・ワークを板厚の半分程度抜く加工方法。主にスポット溶接等の位置決め、当たりやストッパーといった用途で用いられる加工方法です。 バーリング・・・ワークを筒状に絞る加工です。主に内径にタップ加工をするために用いられる加工方法で、専用の金型をセットして加工します。 ビーディング(ビードだし)・・・板材の補強、すべり止め等の目的でワークをビード状に絞る加工方法。短いビードは単発、長いビードはニブリング加工で成形します。 ミクロジョイント・・・いわゆる“多数個取り”の際に、1枚のシートで数多くの部品を加工する場合の、部品を繋ぎ止めておく方法のことをいいます。 面取り・・・NC加工後に、カエリが無くなる様、端面を滑らかな状態に削ることです。特に、ワークの抜き穴、端面等に面取りを行う加工のことを“C面取り”といいます。
レーザーとは(Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)の頭文字を合わせたもので、「放射の誘導放出による光の増幅」という意味である。レーザー加工とはその名の通り、光のエネルギーを小さな面積に集約させる事により、大きなエネルギーを発生させ、ワークを溶融する加工の事を指します。
NCタレットパンチプレスでは、加工が困難な厚板シートの加工や曲線などの複雑な形状のカット・切欠き・穴あけ加工に適している。カエリもほとんど発生しません。
・当社でよく製作する部品…文字看板、金庫等のカンヌキ、錠前廻りに使用する小物部品、ステンレス装飾品 等
シャーリングとはいわゆる“切断”のことです。当社では、切板(スケッチ材)からの加工だけでなく、原板(定尺材)から必要寸法にカットすることも可能です。
特にSPCCやSECC等のよく使用するスチール材については、“社内切り”することが多いです。(ステンレス材は、基本的に社外切りにて対応しています)
切断の際に大切なのは、“きちっとした寸法を出すこと”です。たて、横、対角の寸法を出し直角を出すことが要求されます。
また昨今のリードタイム削減の需要にレスポンスするには社内でのシャーリング対応が必要不可欠になっています。
NCベンダー加工とは、いわゆる“曲げ加工”のことで、その加工機をNCベンダー(ベンディング)マシン、プレスブレーキと呼びます。NCに板厚、曲げ角度、曲げ寸法、などを入力することによって、精度の高いベンド加工がなされます。
基本的にNCタレットパンチプレス工程の次の工程となることが多く、次工程は、組立溶接工程になることが多いです。
ロッカー・筐体などのスチール家具における溶接組立のし易さ、完成度は、この曲げ加工の精度(できばえ)に拠るところが非常に大きいといえます。
言い換えれば、以下に直角や指定角度に曲げることができているかが大切になってきます。
ベンダー加工は、基本的に以下のような手順・要領で行います。
・納期の確認・・・生産計画・作業指示書で納期・順序を確認します。 ・加工部品受入検査・・・加工部品の員数・状態を確認します。 ・金型セット・・・折曲形状に適正の加工可能な金型の選択を行います。(データ記録活用) ・加工データ入力・・・図面に基づいて、寸法・角度の入力を行います。(データ記録活用) ・試し加工・・・試し加工を行い、品質確認を行います。 ・加工・・・加工とともに検査を行います。検査の記録はチェックシートに記載されます。 ・識別・移動・・・加工後の完成部品は、現品票で識別され、組立や塗装などの次工程へリリースされます。
<色々な曲げの種類>
直角曲げ・・・ワークを直角に折り曲げする加工のこと。 Z曲げ(切起こし)・・・ワークをZ型状に切り曲げすること。 へミング・・・いわゆる“ぺしゃげ”。主に安全面向上のために一旦折り曲げしたり、バーリング加工した後に再度つぶし曲げをして2枚の板厚を重ねるようにすること。カーリングともいいます。 箱曲げ・・・ワークの4辺を同一方向に曲げ、箱状にすること。 V曲げ・・・加工断面がアルファベットのV字状になる曲げ加工のこと。 ロール曲げ・・・3本またはそれ以上のロールの間に材料を入れて曲げる作業のこと。 バックゲージ・・・ベンダーマシンにおいてワークの位置決めをするための後ろのストッパー、当たりのことを指します。
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