当社では生産管理システムを2005年に導入しました。各部署で管理し点在していたそれぞれの必要な情報を、生産管理システム内で、一元管理しようという目的での導入でした。一元管理により、『良い商品(もの)を、必要な時に、必要な分だけ生産する』という、多品種、小ロット生産の弊社にとって重要な課題解決に取り組もうとしました。パッケージの生産管理システムを、どのようにカスタマイズし、また、世の中のスタンダードから離れる事なく、いかに自分たちのものにしていくか、いくつもの課題をクリアするのに、1年近くを要し、本格稼働は2006年度になりました。当社の生産管理システムでは、受注から納品まで、販売管理、購買管理、工程管理、売掛・買掛管理までをシステム内で網羅したものになっています。
生産管理システムによる一元管理により、業務のスリム化が図れ、リアルタイムに状況を把握できることができるようになりました。
できるようになった以下の項目について、ご説明いたします。
受注管理においての特色は、受注時に原価管理を実施し、付加価値額の管理を商品毎に出来るようにした事です。
受注段階で、月次毎の売上、支払を管理し、瞬発力のあるアクションを行える形を目指しています。
また新規製品の受注時にマスタデータが存在しなくても、簡易な形で、仮の受注入力を行える形にしました。
パッケージではマスタデータが存在して初めて、インプット出来る形でしたが、弊社は別注品、新規品が多く、受注、設計、生産、納品の流れに沿わない為、カスタマイズしました。
弊社の取引先様の中で検討事項であった、EDIでの受注にも対応出来るように、将来を見据えた形での受注管理システムにしているのも特徴です。
発注管理において、一番の労力を費やしたものは、鋼材の注文書の部分でした。鋼材の注文は、重量での単価になるのですが、重量計算はJISにて規格はあるものの、仕入先様各社において、少しの違いがありました。
端数の丸め方をJISに沿った形で実施し、各仕入先様に協力をお願いし、何とか落ち着く事が出来ました。
また、鋼材は材質により単価が違うのは勿論の事、板厚、ビニールのあり、なし、定尺材、スケッチ材、など、それぞれにおいて単価が違い、その全てを網羅出来る、単価マスタのカスタマイズにも時間を費やしました。
近年では、投資目的において、石油や、ニッケルの相場が大きく変動し、鋼材の単価も毎月のように変化しています。
毎月のように変更する単価変更にも柔軟に対応出来るように、単価設定業務も簡素化するようにカスタマイズしています。
塗装や、メッキといった外装の注文書にはアイソメ図を挿入出来る形にし、目で見て分かる管理を目指しました。当然、色番や、メッキの種類も出力されるようにしています。
部品等に関しては、カタログ品での発注が多く、間違いなく発注出来るよう、材質・型番欄を充実させました。
客先支給品も多数ありますが、一番支給品の多い、取引先様1社のフォーマットを雛型に、他の取引先様でも使用出来る形にカスタマイズしました。注文書のフォーマットは現在、4種類(鋼材・部品・外装・支給品)になります。
従来の護送船団方式的な生産方法からの転換を進める為、一部品毎、一工程毎の管理を選択しました。
作業には必ず指示書が付随し、また指示書には現品票が付随する形にしました。
一つの受注に対し、一つの受注№が任意で設定され、それに基づき、所要量が自動計算され、工程スケジュールを設定し、指示を出すという仕組みです。
同時に発注業務も行う為、次工程に間に合う形での発注管理が可能になりました。
また一つの製品の中で、部品毎にリードタイムは様々で、最終のASSY工程に間に合う形での、工程管理が可能になりました。
機械加工・溶接加工・仕上加工など、各作業により作業特性が異なる為、機械加工には材料寸法が記載され、また一覧形式で見る事の出来る作業指示書を選択、溶接加工、仕上加工にはアイソメ図の入った、一品一葉の作業指示書を選択しました。
進捗管理においては、各工程で入力された実績入力を元に、手配残の管理、先の工程の管理を実施し、より精度の高い進捗管理が行えるようになりました。
また従来なら人の記憶に頼っていた複雑な工程(例えばNCT→レーザー→スタッド溶接→BEND→スタッド溶接2回目→マスキング→塗装→仕上)も作業指示で管理出来るようになりました。
そのような仕組の中でお客様へご迷惑をおかけしない工程管理を目指しています。
また生産性の向上にも一役を担っています。作業指示書には目標工数が見られるようになっており、実績工数との比較が可能になりました。
また作業後に作業実績入力を行い、そのデータの蓄積により、PDCAのCAを効果的に回せる仕組みを作りました。
一元管理の中で、受注、発注と連動した事により、業務軽減が図れるようになりました。また、受注予測、支払予測の精度が良くなり、管理レベルの向上に役立ちました。
CSV機能を標準仕様として持たせ、生産管理システム内の情報を利用し、文字列操作等をエクセルで簡易に操作出来るように、互換性のあるCSV形式での出力を可能にしました。
それにより、欲しいデータを容易に取り出す事が出来、様々なデータとして活用出来るようになりました。
SEARCH
CATEGORY
GROUP
よく読まれている記事
KEYWORD